頭皮と髪の光老化
光老化とは
「光老化」というのは、紫外線を浴びることで生じる、しわやたるみ、シミといった老化現象のことを指します。長年にわたって紫外線を浴び続ける影響というのは非常に大きく、なんと肌老化のうち8割がこの紫外線による光老化とも言われています。
- 光老化の特徴
- ・非対称に現れる
紫外線にさらされた部分のみに症状がでるため、左右非対称になる - ・早期に発症する
紫外線を浴びた時間と強さに比例するため、若年層でも光老化による症状が現れる - ・進行が速い
紫外線は細胞に直接的に大きなダメージを与え、細胞死を促進する。発生する活性酸素によって、ダメージを受けていない細胞も影響を受け、老化が助長される
- ・非対称に現れる
頭皮には顔よりも紫外線が当たっている!
紫外線の顔への影響はよく知られていますが、頭皮と毛髪にも実は大きな影響があります。頭頂部の分け目等は特に紫外線にさらされやすい状態であるので、顔の皮膚と比較して3倍以上の紫外線量が当たっているとも言われています。
- 紫外線の頭皮と毛髪への影響
- 頭皮
- ・肌奥の真皮にまで侵入し、肌のハリや弾力が低下する
- ・バリア機能が低下し、頭皮が乾燥したり、固く結構不良の状態となる
- 毛髪
- ・紫外線を受けて火傷状態になるとキューティクルが損傷し手触りの低下や切れ毛・枝毛となる
- ・メラニンが壊れ、髪色が少しずつ明るくなる
一年中降り注ぐ紫外線、その量は増加傾向にある
次に、紫外線の量について見ていきたいと思います。
皆さんも良くご存じだと思いますが、私たちが影響を受ける紫外線には「UVA」と「UVB」という2種類があります。下のグラフが、月別のUVA・UVBの量を示したものです。夏だけでなく、紫外線は1年中降り注いでいるのが分かります。
紫外線は1年中降り注いでいる
さらに、下のグラフは、18年前と紫外線量を比較したデータです。2005年は紫外線が弱い日も観測されていましたが、2023年にはほとんど毎日が非常に強い紫外線量となっています。近年では40℃近くの気温になる夏の暑さも問題になっていますが、温度のみならず紫外線量も年々増えているのが分かります。
出典:気象庁:日最大UVインデックス(観測値)の月間推移グラフ
年々、紫外線は強くなっている
このように、紫外線というのは肌だけでなく、頭皮や毛髪にも大きな影響を及ぼします。昨今はオールシーズンで紫外線からのケアをしていくことが非常に重要になってきています。
光老化対策に効果的な方法
光老化対策としては、まず紫外線を過剰に浴びないようにし、光老化を予防することが最も大切です。SPF/PA値の高い日焼け止めを使用するのも効果的ですが、適正な量を塗布することや、スプレータイプ等で日中こまめに塗り直しをすることで、紫外線防御効果を維持できます。
しかし、うっかり紫外線を浴びてしまった場合にも、肌のトラブルに対処できる成分が存在します。
ミドルエイジの肌を保護するイザヨイバラエキス
生まれたばかりの新生児と50代の表皮細胞に、同じ量の紫外線を当てたときの細胞の生存率を比較すると、50代のほうがより少ない紫外線量で細胞が死んでしまい、新生児より約1.7倍も紫外線によるダメージを受けやすいというデータがあります。つまり、35~50歳の「ミドルエイジ」の年代の方の肌は非常に紫外線の影響を受けやすい状態になっています。こちらにイメージ図がありますが、細胞が紫外線によってダメージを受けると、細胞の中身が放出されてしまいます。
その放出された中身を総称して「DAMPs(ダンプス)」と呼ばれており、細胞の中にあるときにはとても重要な働きをするものですが、細胞外に放出されてしまうことで体の危険センサーに察知されてしまい、防御反応が働くことで炎症を引き起こしてしまいます。
そんな「DAMPs」からの作用を抑え、炎症やかゆみといった光老化を誘発しないようにしてミドルエイジの肌を保護していくのが、イザヨイバラエキスです。
ヒメフウロエキス
紫外線を浴びることで、肥満細胞から分解酵素の「トリプターゼ」というものが発生します。ヒメフウロエキスはこのトリプターゼを阻害することで、基底膜やコラーゲンの分解を防ぎ、ターンオーバーを正常にする効果が期待できます。
基底膜の破壊を防ぐことは非常に重要です。この基底膜があることで新しい細胞が生まれ、正常にターンオーバーが働き、肌の新陳代謝を整えることができるからです。
紫外線の影響は年々強まっています。夏のみならず一年中、丁寧に紫外線対策をして出かけましょう。もし紫外線を浴びてしまった場合には、光老化に効果的な成分の入った化粧品等を使用し、夜間もスキンケア・スカルプケアを行うのがおすすめです。自分に合う光老化ケアを探してみてください。
※イラスト、写真はすべてイメージです。